赤坂で自律神経の鍼灸治療をメインにしているパナケア赤坂院の飯田です。
こんにちは。
さて、
鍼灸治療という場合などに使う、この「鍼」という字。
鍼灸以外では今は使われません。
中国では鍼灸治療の「はり」は、「針」の字を使います。
日本でも最近発売になった大修館書店『針灸の歴史』は「針」の字を使っています。
その理由として、
針は鍼と同義である。
針は旧来から鍼の俗字として用いられ、区別されていなかった。
針は現代中国の略字ではない。
針は常用語である。
鍼は常用語ではなく正字(旧字)である。
等という理由を挙げています。
なるほど。
しかし鍼にもいろいろな種類があり、
石の鍼という物もあります。
石の鍼を鍼石(しんせき)といい、患部やツボに押し当てて、
痛みを取ったりするようです。
私は治療の中に取り入れたことはありませんが、
天然の石は冷たく体温ではすぐに温まりません。
熱感のあるところに置いておくと、
適度に熱を吸収してくれて痛みを緩和することが考えられます。
また水晶のように結晶が尖って鋭利な場合、
皮膚を軽微に刺激することにも使えそうです。
そうした鍼石には、
「戒める」という意味もあるそうです。
私は鍼灸治療とは、
常に戒めの心を持って、
患者様の病気と向き合い、
自分自身の心の深淵とも向き合っていかなくてはならないものだと考えています。
縫い物に使われるような無機質な道具の「針」の字よりも、
私はしんきゅう治療には「鍼」の字を使っていきたいと考えています。
しかし意味合い的には針も鍼も同じ意味なので、
皆さんが「はり治療を受けた」という時には針でも鍼でもどちらでも良いのだと思います(^^)