不妊治療と鍼灸

不妊治療を考える場合、
不妊の原因が男性と女性のどちらにあるのか、
明確にしなくてはなりません。

とかく女性のみが不妊治療の主役になりがちですが、
場合によっては、男性も治療が必要な場合があります。
鍼灸で不妊治療をご希望の場合には、まず不妊の原因がどこにあるのかを明確にする事をお勧めしています。

○ 男性に原因のある場合 ○
性機能障害、精液性状低下など

性機能障害とは、
ストレスなどが原因で勃起できなくて性行為そのものが出来ない、
あるいは性行為は出来ても射精が出来ないことを言います。

ストレスなどが原因で、正常な性機能が営めない場合は、鍼灸治療の対象となります。
ストレスによって高まりすぎた交感神経を抑え、副交感神経を活性化する事で、性交時の勃起不全などの症状を緩和していくことができます。

精液性状低下とは、
精子の活動が弱い、または量が少ない、または精子がないなど、
受精する能力の極端に低い状態のことを言います。
この場合は鍼灸治療よりもまず、医療機関にて最善の方法を探ってください。鍼灸治療の対象ではない場合が多いです。

○ 女性に原因がある場合○
女性の不妊症の原因には、
排卵因子(排卵障害)、卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)、子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天奇形)、頸管因子(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常など)、免疫因子(抗精子抗体など)
などがあります。
このうち鍼灸治療の対象となるのは、排卵因子になります。
ストレスや生活習慣によって、生理周期が不安定になる事が妊娠の機会を少なくしてしまいます。

鍼灸治療によって健全な生理周期を取り戻し、妊娠しやすい身体にする事が出来ます。

冷えや肩こり、頭痛など、習慣的に身体に不調があるとしたら、
自律神経のバランスが崩れる事で、生理周期をコントロールしているホルモンのバランスが崩れているのかもしれません。

鍼灸治療で自律神経のバランスを整える事で生理周期も安定し、
妊娠しやすい身体になっていきます。
同時に冷え性や肩こり、頭痛と言った諸症状も緩和していきます。

排卵因子以外の原因がある場合は、
外科的な処置が必要な場合もあるようです。

よく医師と相談する必要があります。

☆ 留意したい事
不妊治療を考える場合、
人工授精が一度ではうまくいかず、二度三度と繰り返し、
何回目かでめでたく妊娠、という話しもよく聞きます。

人工授精の場合、母体に妊娠する準備が整っていないと、受精卵を入れてもなかなか着床しないようです。
ちょうど耕していない畑に種をまいても、収穫までにつながりにくいのと似ています。

年齢的な事を考えると、人工授精を一日も早くした方がいい場合が多いですが、
それと同時にお身体を妊娠に合わせて準備していく事も大切な作業です。

当院の鍼灸治療は自律神経系に働きかけることで、
生理周期が整ったりホルモンバランスが改善されていきます。
妊娠のための準備のお手伝いができるのです。

冷えや肩こりを感じたり、習慣的な頭痛があったり、いつもだるさが抜けなかったり、眠りが浅かったり。そんな症状は自律神経のバランスが崩れているサインですので、
妊娠を考えられている方はまず、お身体を整える鍼灸治療を始めてみてはいかがでしょうか。

当院では、比較的高齢の方の妊娠の報告も頂いています。
40歳、女性の方は二度目の人工授精で妊娠されました。
42歳、女性は半年以上の治療の後、自然妊娠されました。
手前味噌ですが、家内は38歳で初産、42歳で第二子に恵まれました。
最近ではこうした高齢出産も珍しくなくなりましたが、
それでも30代半ばくらいまでの方が結果が出やすく感じます。

妊娠のためにお身体を整えたいとお考えの方は、早めにご相談ください。