「首や肩がとても痛くて整形外科に行きました。
レントゲンを撮った後、医者からは「ストレートネックですね」と告げられました。
頸椎の湾曲が無くなっているとのことでしたが、
これは生まれつきなのでしょうか?
もう治らないのでしょうか?」
この様なご相談を良く受けます。
まず、
ストレートネックは生まれつきではありません。
首の骨はブロック状の頸椎が7個(人により8個の方もいらっしゃる)、積み重なっています。
そして少し前湾しています。
このブロック状の頸椎には、
いくつかの筋肉が付着しているのですが、
この頸椎に付着している筋肉の緊張が強すぎると頸椎を後方に引っ張ってしまい、
前湾が浅くなり、
ストレートネックと診断されるのです。
つまり、
生まれつきでも治らないものでもなく、
頸椎に付着する筋肉の緊張を取れば前湾は回復していきます。
頸椎周囲の筋肉の緊張が少なくなれば、
それに伴って生じた頭痛やめまい、眼精疲労なども消失していきます。
注:上記の各症状の原因全てが頸椎周囲の筋肉の緊張ではないので、軽減しない場合もあります。
当院の鍼灸治療では、
頸椎周囲の筋肉へのアプローチのみならず、
背中、腰まで広めに鍼灸治療を施します。
そうすることで、
緩んだ筋肉が緊張しにくくなるからです。
また、
自覚のある背面の緊張だけではなく、
大胸筋、上肢の三角筋、上腕筋の緊張も取り除いていきます。
筋肉には、自覚症状の出にくいところもあるので、
普段辛いと思わない場所にも、
意外と疲労が蓄積しているのです。
セルフケアとしては、
交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを活性化するために、
ゆっくりした入浴、十分な睡眠をお勧めしています。
また食事の栄養バランスが偏ると、筋肉は疲労しやすくなるので、
ビタミンやミネラルを考慮したバランスの良い食事を心がける様にして頂きます。
これはどんな症状にも当てはまりますね。
ストレートネックを治す運動としては、
ラジオ体操のような動的な運動と、
ヨガの背骨を一つひとつねじるような静的なストレッチをお勧めしています。
詳しくは来院したおりに、直接お問い合わせ下さい。
春がもう目の前に迫っていますが、
東洋医学では春は筋肉に症状が出やすい季節と考えます。
しっかり養生してくださいね。