こんにちは。パナケア赤坂院の後藤です。
当院でオイルトリートメントやエステを行っているほか、定期的に病院の緩和病棟に入り、「ソシオエステティック」と呼ばれるエステを行っています。精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている人に対し、医療や福祉の知識に基づいて行うエステです。
フランスで始まったこの資格が日本エステティック協会により日本に導入されてから数年が経ち、現在私を含む約40名のソシオエステティシャンが日本にいます。ボランティアではなく職業として入るため、国の制度の違いによる課題は多くありますが、ソシオエステティシャンを雇用する病院や施設も少しずつ増えてきました。ご興味のある方は是非HPをご覧ください↓
http://www.ajesthe.jp/jaspa_socio.php
私は末期ガンの方を専門にエステがしたいと思い緩和病棟に入っていますが、通常のエステでは味わえない学びが多くあります。患者様の人生の最後のステージに立ち会い、心を安らげるひと時を作ってさしあげることの重みと喜びを感じます。
女性なら特に、病気になってしまった自分の容姿で苦しみ、人に会う事を避ける傾向があります。そのような方にはフェイシャル、ネイル、ハンド&フットからメイクまで行うソシオエステティックは有効です。手をかけていなかった部分のお手入れをするだけで、病室に外の世界の風を吹き込み、元気だった頃の自分を思い出し、人に会いたくなる気持ちが芽生えます。
「どうぜ死ぬんだから、やってもらってもしようがない」と言われる事も多々ありますが、最後には「ありがとう」と笑顔になっていただく。エステの道を選んでよかったなあと思える瞬間です。
最近は講師としてソシオエステティシャンの講座を担当するようになりましたが、受講希望者も導入を希望する施設も着実に増えて来ており、まさにこれから広がる分野であると感じます。
欧米では環境のよいホスピスが整っていますが、まだまだ日本では一部の富裕層のもの。生きることで精一杯で、「最期が幸せかどうか」について意識が向いていない印象があります。自分の最期をどうしたいか、考え選べる時代が来るはずです。
私はエステを受けたい、最期まで。そう思います。