ご挨拶
赤坂で自律神経調整専門の鍼灸治療をしています。
パナケア赤坂院の院長、飯田と申します。こんにちは。
今年は9月に入って順調に気温が下がっていますが、体調を崩される方が例年より多い印象です。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
今日は、私が自律神経調整のために実践している 西條一止先生の鍼灸理論 ― その素晴らしさについてお話ししたいと思います。
1. 西條先生との出会い
西條先生に初めてお会いしたのは、鍼灸の国家資格を取得して5年目の頃でした。
当時の私は「鍼灸で病気を治したい」「なぜ人は病気になるのか」という問いを抱きながらも、明確な答えを得られずにいました。
臨床でも「体がパンパンに張ってマッサージや整体が効かない患者様に、鍼灸でどう対応すべきか」という悩みを抱えていたのです。
そんな中、とある勉強会でゲスト講師として登壇されたのが西條先生でした。
先生のお話は、生理学に基づいた非常にロジカルなもので、自律神経の交感神経と副交感神経を鍼灸でどう刺激し分けるか、という内容でした。
その明快さに強い感動を覚えた私はすぐに先生の著書を手に取りましたが、そこには専門書並みの難解さがあり、十分に理解できないまま月日が過ぎました。
その後ご縁をいただき、2014年に1年間「臨床技術大学校」で学ぶ機会を得て、直接先生から理論を学ぶことができたのです。
2. 交感神経の過緊張は自力で緩めにくい
私が特に関心を寄せているのは、
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マッサージや整体では改善しない「体の硬直」
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病院で原因が分からないのに続く「つらい症状」
といったケースです。
慢性的な肩こり・頭痛・首や腰の痛み・原因不明の膝痛・めまい・耳鳴りなど…。
こうした症状の多くは 交感神経の過緊張 が引き金になることが分かってきました。
自律神経は「交感神経=アクセル」「副交感神経=ブレーキ」に例えられます。
本来どちらも必要不可欠ですが、交感神経は暴走しやすく、一度スイッチが入ると自力でコントロールしにくいのです。
深呼吸は副交感神経を高める手助けになりますが、怒りや悲しみの真っ只中ではなかなか効果が追いつきません。
同じように、鍼灸でもソフトな刺激だけでは交感神経の暴走を止めきれないのです。
3. 西條理論の革新性
西條先生の理論は、私が知る限り唯一「交感神経の過緊張そのものを直接緩められる」方法を提示しています。
それが M6 と呼ばれる手技です。
交感神経支配領域の骨格筋にパルス通電を行い、過緊張を自然な状態へ誘導していきます。
先生はこれを「マラソンで伴走するペースメーカー」に例えられました。
患者様に過剰な負担をかけることなく、そばに寄り添いながら調和へ導くイメージです。
従来は
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副交感神経を強く刺激して交感神経が下がるのを期待する
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逆に交感神経を強刺激して揺り戻しを狙う
といった手法が試みられてきましたが、不快な症状が出やすく「好転反応」とされてきました。
西條理論では、そうした副作用を避けつつ再現性の高い治療が可能です。
さらに、交感神経を高める手技、副交感神経を高める手技も体系化されています。
患者様の症状に合わせて自在にアプローチを選択できる点が、この理論の大きな魅力です。
4. 効果が出る理由・出ない理由を説明できる
治療効果が十分に出ないことは、どの分野でも起こり得ます。
しかし西條理論では、なぜ効果が出にくかったのかを検証しやすいのです。
例えば…
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M6の時間が短かった
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副交感神経を高める手技が不足していた
といった要因を明確にし、改善策を立てられます。
また、交感神経の過緊張を生み出す背景に「生活習慣」や「ストレス」が関わっている場合も多く、治療を通して生活改善のヒントを伝えることもできます。
5. 生理学に基づいた科学的理論
西條理論は、生理学をベースに「仮説 → 実験 → 検証 → データ蓄積」というプロセスを経て体系化されています。
そのため「ある人には効くけれど別の人には効かない」といったばらつきが少なく、安定した効果が期待できます。
ただし臨床では、ストレスや習慣的な悪癖が原因で結果が出にくい場合もあります。
そうした際には、生活指導やセルフケアの工夫を提案し、患者様と一緒に改善へ取り組むことができます。
6. まとめ
西條先生の理論は「自然鍼灸学」と呼ばれます。
人に本来備わっている自然の理(ことわり)を活かし、自律神経を整えていく学問です。
私たちの体には、本来、自律神経を調和させる力が隠されています。
しかし時に、その力を自力で引き出すのは難しい。
そんな時に自然鍼灸学の力を借りることで、薬や過剰な外部刺激に頼らず、バランスを回復しやすくなるのです。
つまり西條理論は「科学的でありながら、私たちの自己治癒力を引き出すための道しるべ」なのです。
「鍼灸で治してもらう」のではなく、
「鍼灸に少し助けてもらいながら、自力で立て直していく」
そのような意識で臨めば、治療はより良い結果へつながるでしょう。
補足
当院のスタッフ小林真理子は、元スポーツトレーナーとして筋骨格系に強い鍼灸師です。
西條理論を学び、自律神経からのアプローチも可能になってきました。
PMSやPMDDなど女性特有の症状にも対応していますので、ぜひご相談ください。
※chatGPTとの共著