「鍼灸治療を受けたら、次の日頭が痛くなり身体が重くなり寝込んでしまいました!」というメールを頂きました。
これはどういうことなのでしょう。
全身調整の鍼灸治療をすると、
自律神経の働きが活性化し、
お身体全体の血行が良くなったり、消化力、デトックス力(余分なものを出す力)が強くなります。
今まで身体の中で滞っていた余分な水分や老廃物が、
鍼灸治療により一気に外に出ようとしてしまいます。
もちろんこれは悪い反応ではないのですが、
このお身体の急激な変化に付いていけないと、体調を崩してしまいます。
血行が悪い方が急に温泉などに長湯をしてしまうと、
湯当たりしてしまうようなものです。
鍼灸治療を受け慣れている方だと、
好転反応とか瞑眩反応(めいげんはんのう)などと言う言葉をご存知かと思います。
身体が元の健康な状態に戻るための通過点、
と考えることも出来ます。
しかし私は、
こうした強い好転反応を必ずしも肯定的に捉えていません。
一般的に鍼灸治療にいらっしゃる方は、
仕事や家事などをお持ちです。
仕事や家事の妨げになる痛みや不快感を取り除こうと鍼灸治療を受けに来ているのに、
一時的にせよ、
やるべきことがやれない状態になってしまうのは本末転倒だと思うのです。
なかには多少怠くなっても構わないので、
治癒していくために最善のことをして欲しいと仰る方もいらっしゃいます。
そのような方には好転反応のリスクを話した上で、
しっかりした刺激をしていきます。
しかし治りは早くなりますが、好転反応なども出やすくなってしまいます。
(全ての人に出る反応ではありません)
好転反応が出ずに、しかも最大の効果を出していく。
そのぎりぎりのポイントを、私は狙っていくことを常々目標としています。
しかしこの好転反応、
裏を返せばしっかりと的を得た治療が出来ているということ。
ただボールの球威が強すぎて、
受け止められなかっただけなのですから、
治療としてはとても良い治療が出来ていた可能性があります。
好転反応が強く出ると不安になり、
次回の治療を足踏みしてしまう方が多いようですが、
今一度症状をよく先生に相談し、
最適な刺激量で治療が出来ないものか話し合ってみてはいかがでしょうか。