鬱病になるきっかけ

赤坂で自律神経系の鍼灸治療をしています、飯田です。

こんにちは。

 

鬱病と聞くと、何か特別な人がなる病気のように感じてしまいますが、

そんなことはないのです。

 

仕事や家事などを一生懸命にしている人、

真面目な人、

物事に真剣に取り組む人、などが発症しやすいと言われています。

 

私は絶対に大丈夫!

と思っていても、過度のストレスが長期に渡ると、

鬱病になってしまうことがあります。

 

それはなぜでしょう?

 

ストレスがかかると、自律神経の交感神経が活性化します。

 

交感神経が活性化すると、短期間では免疫力が上がったり仕事の効率が上がったりします。

しかしその反面、

眠りが浅くなったり、食欲が落ちたりしてきます。

 

しかし短期間なら大丈夫なそうした症状も、

長期に渡ると眠れなくなったり、食べると気持ち悪くなったり、手足の冷えが取れなくなりむくみやすくなったりと、

自律神経のバランスが崩れ始めているサインが出てきます。

 

この段階ですと、

身体に不調を感じマッサージや整体に行っても、

症状は改善できなくなることが多いです。

 

それでも身体のサインを無視していると、

音や臭いに敏感になり心臓がばくばくしたり、

夜中に目が覚めて眠れなくなったり、

お通じが滞ったり、あるいは下ってしまったり、

様々な症状が出てきます。

 

このときは交感神経の働きがMAXの状態。

 

身体は休むことを要求しています。

悲鳴を上げて必死に休むように、私たちの顕在意識に働きかけているのです。

 

しかしそれでも状況が改善しないと、

今度は高まった交感神経に同調するように、副交感神経の働きが急激に同期してしまいます。

 

副交感神経は自律神経のリラックスを担当する神経。

 

通常はブレーキのような働きをして、

私たちの身体が暴走しないように調整してくれています。

 

しかし交感神経が高まりすぎた状態が長く続くと、

この副交感神経のブレーキの力も強くなり過ぎ、

ある日、

いきなりフルブレーキがかかってしまうのです。

 

副交感神経はブレーキなので、

身体を休める方向に持っていきます。

 

その力が強く働きすぎてしまうので、

身体が怠くて動かなくなったり、

無気力になったり、

訳もなく涙が出てきたり、

副交感神経の働きが強く出てしまいます。

 

こうして身体はなんとか休むように最大限の抵抗をするのですが、

その反応が行き過ぎてしまっているのが鬱病なのです。

 

鬱病はストレスによって自律神経の交感神経が優位になり、

それに歯止めをかけようとする副交感神経の働きが異常に高まった状態と言えます。

 

 

薬を飲むことで、

とりあえず症状を落ち着かせることは出来ますが、

薬は交感神経を刺激するので、

薬効が切れると症状は重くなります。

そこで投薬が欠かせなくなるのです。

 

鬱病に対する鍼灸治療は、

通常の副交感神経を高めるような治療に加え、

適度に交感神経も刺激する治療が大切です。

 

しかし交感神経を刺激するタイミング、量は個人差があり、

また治療のどのタイミングでどのくらい刺激したら良いのかも判断が難しいものです。

 

鬱病になってしまうきっかけは人それぞれ、様々ですが、

自分の身体が自分の思い通りにならないような感覚がしてきたら、

ゆっくり休養してください。