癌と鍼灸

癌に鍼灸治療は効果があるのでしょうか?!

 

赤坂の鍼灸院、パナケア赤坂院の飯田です。

こんにちは。

 

私は鍼灸、マッサージの国家資格を取得してから10年以上、

内科クリニックにて鍼灸治療をさせていただいておりました。

 

御陰様で、様々な症例を担当することができ、

その経験が自律神経系の治療をしていくという、今の私の治療スタイルを形作る基礎となりました。

 

クリニックの院長が国立癌研究所に勤められていた経験があるため、

クリニックには癌の患者様も多く、来院されていました。

 

術後の癌の患者さまの疼痛の緩和や重度のむくみの改善のために、

鍼灸、マッサージなどで対応させていただいておりました。

 

 

 

鍼灸治療と癌。

 

 

結論から言うと、

鍼灸治療だけでは癌の治癒は難しいと感じています。

 

多くの癌は、いわば生活習慣、心身のあり方の集大成の結果です。

 

 

発癌性物質を取り込んだり、ウイルス感染の場合は除き、

多くの場合はストレスによる各臓器への継続的な負担、食事の偏り、運動不足、などが複合的に絡み合って、

癌を作り出していきます。

 

 

鍼灸治療では癌の疼痛を緩和したり、免疫力を上げて癌の治癒に貢献することはできます。

 

 

しかし、

ストレスコントロールや食事を変えていくことは、

患者様ご自身の決断。

 

 

生活習慣、ストレスコントロールを変えずして、

癌の治癒はあり得ません。

 

 

そういう意味でも、

鍼灸治療だけでは、癌の治癒は難しいと考えているのです。

癌の治癒への道は、

患者様ご自身と医療関係者の二人三脚が基本です。

 

 

パナケア赤坂院の指圧は持続圧を長めにし、またゆっくりとした漸減圧のために、

副交感神経に働きかける力を強くして免疫力が高まるように工夫しています。

 

副交感神経が活性化することにより、

癌で生じる疼痛も、緩和、軽減していけます。

 

 

また灸頭鍼という鍼の上にお灸を乗せる治療法をしていますが、

これも副交感神経を活性化し、免疫力を上げ、癌の疼痛の緩和に効果を発揮しています。

 

ただし、リンパ節切除などの手術をされ、むくみがひどいときには、

この灸頭鍼という治療は行えません。

 

オイルを用いた、

リンパドレナージュをお勧めしています。

 

 

 

【症例1】

末期の肝硬変、50代前半 男性

癌による背部痛、肩上部痛で来院

亡くなるまでの半年間、来院

 

来院した当初は痛みが強く、そのために食が細くなり、かなり痩せて体力も落ちていました。

週2~3回の鍼灸治療を進めていく中で、疼痛が緩和され、食欲も出てきたことから、

一時期体力を回復。

亡くなる直前まで、快適な時間を実感していただきながら来院されていました。

 

【症例2】

全身転移の末期がん 70代前半 女性

全身疲労、腰痛、肩上部痛

亡くなるまでの1年弱、出張治療にて対応。

 

週1~月1の鍼灸指圧治療で対応。

鍼灸指圧治療直後から2,3日は身体も軽く食欲も増してきたとのこと。

かなり筋肉の固い方でしたが、鍼灸治療直後はお身体の軽快さを実感していただいていました。

 

亡くなる数週間前まで、指圧をさせていただいていました。

 

【症例3】

子宮癌による腰痛  50代前半 女性

鍼灸治療は1~2回のみ

 

子宮癌により、腰に痛みを感じていらっしゃいました。

病院では痛みの緩和ができないとのことで、鍼灸治療を選択。

鍼灸指圧の後から数日は、腰痛が発現せず軽快になっていたということでしたが、

自宅近くの鍼灸院に通われるとのことで、私の治療を引き継がせていただきました。

 

 

 

癌そのものを縮退、治癒させていくためには、

やはり西洋医学の力を借りなくてはなりません。

 

しかし、

日常生活の中の不快感や疼痛に関しては、

往々にして西洋医学は無力なケースが多いです。

 

鍼灸治療ではこの疼痛緩和に効果を発揮できるので、

西洋医学の治療と並行しながら鍼灸治療を取り入れていくのが、

お身体にとってベストな選択ではないでしょうか。

 

 

開腹手術をされたりしてうつ伏せになれない方は、

椅子に腰かけたままでも鍼灸治療を受けていただけます。

 

お気軽にご相談ください。