歯ぎしりや食いしばりなどの顎関節症は、自律神経の乱れてることで起こります。なぜなら、

食いしばりと鍼灸

港区赤坂で、自律神経専門の鍼灸治療をしている、パナケア赤坂院の院長の飯田です。
こんにちは。

最近、「無意識に歯を食いしばっている気がする」という相談が増えています。
また、ご家族から寝ている時の歯軋りを指摘されるケースも多くあります。

朝起きた時の顎のだるさ、側頭部の重さ、首肩のこわばり。
それは単なる歯の問題ではなく、自律神経のSOSのサインかもしれません。

食いしばりも歯軋りも、意思で起きているのではなく、神経反射として起きています。
身体が常にどこかで緊張している状態。いわば“戦闘モード”が抜けない状態です。

現代人は強いストレスに晒され続けています。
仕事、人間関係、情報過多。
身体は常に「守る」「耐える」方向に働き、戦闘モードのスイッチが寝る時もオンのままになる。
その結果、顎関節周囲に緊張が現れるのです。

これは自律神経でいえば、交感神経の過緊張と呼ばれる状態です。


食いしばりや歯軋りに関わる咬筋は、12対ある脳神経のうち第Ⅴ脳神経である三叉神経(特に下顎神経)によって支配されています。
三叉神経の興奮が続くと咬筋は緊張し、無意識の食いしばりが起こります。

三叉神経は顔面の感覚と咀嚼筋の運動を担う大きな神経であり、脳幹レベルで自律神経系とも近接しています。
そのため、背景に交感神経の過緊張がある場合、食いしばりだけでなく、全身の緊張状態とも連動しやすいのです。

実際に、

・首肩の強いこわばり
・寝つきの悪さや中途覚醒
・動悸
・手足の冷え
・側頭部の頭痛やめまい

といった症状を、食いしばりと同時に感じている方も少なくありません。

顎関節だけを見ても解決しにくいのは、そのためです。
顎関節の症状は原因そのものではなく、神経の状態を映す窓だからです。

一方で、食いしばり自体が悪というわけではありません。
瞬間的な集中や力の発揮には、食いしばることで筋肉のポテンシャルが飛躍的に上がります。

問題は「常に食いしばっている」ことなのです。

症状が悪化すると、三叉神経痛と言い顔の半分が割れるように痛くなることがあります。


鍼灸の目的は、顎関節を直接どうにかすることではありません。

過剰に働いている交感神経を鎮め、呼吸を深くし、身体全体の緊張バランスを整えることで、
結果的に顎関節の緊張も緩み、食いしばりが減退するのです。

背部や腹部の緊張が緩むと呼吸が変わります。
呼吸が変わると神経の興奮が落ち着きます。
すると、無理に意識しなくても奥歯は自然に離れていきます。

食いしばりは、真面目で責任感の強い方に多く見られます。
不条理と戦おう、理不尽なことから守ろうとする力の表れでもあります。

だからこそ必要なのは、
「戦える身体」ではなく、
戦えるが、休める身体」です。

顎関節が静かにほどけるとき、神経が整います。
神経が整うと、睡眠が変わります。
睡眠が変わると、日中の呼吸が変わります。

歯ではなく自律神経を見る。
局所ではなく全体を見る。

それが、食いしばりに対する鍼灸のアプローチです。

#️⃣食いしばり #️⃣歯ぎしり #️⃣顎関節症 #️⃣三叉神経痛