院長の飯田です。
私の通っていた高校には合気道部があり、
何か格闘技をしてみたいと思っていた私は16歳の高校一年のときに入部しました。
それ以来32,3歳の仕事が忙しくなるまで、ずっと合気道をしていました。
合気道のイメージを一言で言うと「柔よく剛を制す」ではないでしょうか。
踊りのような緩やかな動きとは対照的に、つかみかかってくる屈強な猛者を次々と投げ飛ばす…
少し神がかっているような神秘的なイメージがある方も多いかと思います。
しかし私のしていた合気道の流派は、いたって基礎に忠実。
技…にもならない基礎の基礎の稽古を、延々と繰り返すような稽古をしていました。
当然相手を飛ばすような派手な技は教わったことがありません。
しかし、基礎的なことをみっちりやったことで、
稽古を離れたいまでも合気道的な発想ができ、
私生活や仕事で身体を使うときなどにいつも気付きを頂くことができます。
その合気道部の先生がおっしゃっていたこと。
もう3年くらい前になりますが、久しぶりに稽古に参加させて頂いたときに頂いたお言葉です。
「飯田君、やっぱり剛の稽古をしなくてはダメだよ。
柔ばかり求めるからみんなダメになる。
柔よく剛を制すのは、剛を剛で制するくらいじゃないとダメなんだよね。」
合気道を極めているような先生の言葉としては、とても衝撃的でした。
当時60歳に近かった先生は、毎日巻き藁(空手の鍛錬で使う道具)を1000回。
重たい木刀を300回振っているそうです。
やはり表面的なイメージだけで下積みの稽古を楽してはいけないのだと、
その時強く実感しました。