外出自粛要請が出て、三週間。
仕事も在宅ですることが多くなり、めっきり外出する機会も減ってきていますね。
そんな中、当院にご相談いただく患者様のご相談の内容も、今までと変わりつつあります。
赤坂という場所柄、仕事の合間などにご相談を頂けることが多かったので、
来院される患者様のお身体は緊張が強く、
肩や首がパンパンに硬くなっている方が多かったのです。
自律神経の、交感神経緊張型とでも言いましょうか、
お身体全体がピリピリしている方がほとんどでした。
今は在宅ワークが多くなっているので、
患者様のお身体の緊張はかなり少なくなってきています。
身体の緊張が酸くなってきている反面、男性でもむくみが強く出ている方が多く、
同じ患者様でもお身体の様子がずいぶん変わってきています。
これは、在宅ワークになることで運動量が極端に減り、血行が悪くなり、
むくみにつながっていると考えられます。
緊張が少なくなっていることは一見いいことのように思えますが、
免疫力を上げることが大切な今の時期には、
必ずしもいいことだけではありません。
免疫力、というものを考えるとき、
白血球とミトコンドリアから見ることができますが、
今回は白血球に絞りましょう!
血液の中には、役割の分かれた働きをする細胞がいます。
赤血球という酸素を運ぶ細胞のほかに、白血球という免疫をつかさどる細胞です。
この白血球の中にもいくつか役割の異なる細胞があります。
白血球の中のリンパ球という細胞が、
体内に入り込んだウィルスや雑菌などをやっつける役割を持っています。
このリンパ球が適度に多く保たれている状態が、
免疫力が高い、ということになります。
適度に多くと書きましたが、
このリンパ球は、多すぎても少なすぎても問題が起きてしまいます。
多すぎると、アトピーや喘息、花粉症などの原因になり、少なすぎると高血圧、胃潰瘍、胃炎、歯周病、癌などが起きやすくなります。
リンパ球の量は、適度なバランスを保つことが、
免疫力を最大限に生かすことになるのです。
では、リンパ球の働きをバランスよく保つためにはどうしたらよいのか?!
リンパ球のバランスを最適に保つには、体温を高めに保つことが必要です。
わきの下で測るなら、36.5~36.8度くらいが理想なのだそうです。
体温を高く保つためには、
まず自分の傾向を知らなくてはなりません。
a)睡眠不足、眠りが浅い、いつも首肩が凝っている、胃炎や胃潰瘍などになりやすい、動悸がすることがある。
b)やる気が出ない、眠気を一日中感じる、だるい、一日家にいても苦にならない、すぐ横になりたくなる、むくみやすい
あなたは自分がどちらの傾向にあるでしょうか?!
a)は交感神経緊張型
b)は副交感神経過剰型
ということになります。
a)の方は、まずリラックスすることを心がけてください。
深呼吸をしたり、森林浴をしたり、心身ともにリラックスすることを心がけ、
それに少し運動を加えてあげてください。
交感神経の過緊張を緩めて、リラックスすることでリンパ球が最適に保たれます。
b)の方は、まず運動することを心がけてください。
外に出て日光を浴び、肩で息をするようなやや激しい運動を、日常生活の中に取り入れてください。
適度に交感神経が刺激され、副交感神経過剰のだるさなどが抜け、
リンパ球が最適に保たれます。
在宅ワークが進んでいることで、
b)のような副交感神経過剰の状態によって、免疫力が落ちている方が増え始めているように思えます。
もちろん鍼灸治療もリンパ球の数を増やし白血球の働きを活発にすることが、
施術前後の血液検査によって証明されていますが、
何よりもまず、運動と休息のバランスが大切になります。
運動は具体的には、
一分間の心拍数が100拍以上になるような運動を心がけてください。
100mくらいの距離を一生懸命走る、というのが手っ取り早いかもしれません。
新型コロナウィルス感染拡大防止のためには、
集まらない、近づきすぎない、閉じた空間にいないといういわゆる三密を避けることは大切です。
それと同時に、自己免疫力をしっかり高め、
ウィルスに負けない身体を作ることも重要なのです。
自分の置かれた環境をうまく利用して、運動と休息をうまく取り入れ、
十分に免疫力を高めていきましょう。