40代から50代にかけて好発する症状で、腕が上がらない、腕を後ろにまわすことができない、などの症状の俗称として、四十肩五十肩と言います(以下、四十肩と統一)。
急性期と慢性期に別れ、急性期には夜間痛も伴う激しい痛みがあります。
特に肩関節に負担をかけなくても症状が出ることもあり、発生の機序ははっきりわかっていませんが、肩関節内にカルシウムが沈着し骨棘(こつきょく)を形成し筋肉を傷つけたり、腱板を痛めている場合があるので、急に痛みを感じたときにはまず病院でレントゲンなどの画像診断をして頂くことをお勧めします。
また、痛みが激しい場合には消炎鎮痛剤を服用し、睡眠障害がおきないよう、とりあえず対処療法をするのも大切な治療の一環です。
急性期が過ぎ、慢性期に入ってくると鍼灸治療が功を奏します。
運動療法などと併せて鍼灸治療を受けて頂くと、一層治りが早くなります。
四十肩の治療ポイントは、
肩関節以外にも、腰、首の治療も併せてしていくことが重要になります。
腰の筋肉、後背筋は上腕骨に付着するので、腰回りの筋肉が硬くなると肩関節に負担をかけます。
また肩甲骨と頸椎は筋肉によってつながっていますので、首に症状がなくても併せて治療をしていかなくてはなりません。
肩関節の外側についている三角筋、前胸部にある大胸筋、小胸筋も四十肩の治療の対象となります。
四十肩は何もしなくても一年から一年半くらいで痛みが無くなるケースが多いです。ですので治療は必要ないと考える方もいらっしゃいます。
確かにいずれは痛みが無くなるので、そのいつかを待つだけでも良いでしょう。
しかし痛みがあるために、長い間動かさなかった肩関節は、廃用性萎縮をしますので、痛みが無くなっても可動域に制限が残ってしまいます。
また痛みのある肩関節をかばうことで、姿勢が崩れ、腰や首に症状が出てしまうことが多いようです。
肩関節の症状が周辺の様々な症状を呼び込んでしまうので、
そうなる前にきちんと治療することをお勧めしています。
当院では二段構えの治療をしていきます。
肩関節周りの筋肉に、指圧と局所的な鍼灸治療で痛みを止め、関節の可動域を確保していきます。
その後に背部に灸頭鍼をし、自律神経の副交感神経を活性化することで、痛みを再発しにくくし、患者様ご本人の治癒力も高めていきます。
治療ペースは週一で、8〜12回くらいで効果を実感して頂けるようですが、個人差もあります。
症状にお困りのときは、まずお気軽にご相談ください。